マーガリンに含まれる「トランス脂肪酸」が問題視される理由!身体への影響と対処法

アメリカが2006年にトランス脂肪酸の使用を禁止すると発表してから、日本でもトランス脂肪酸を危惧する声が盛んになっています。特にマーガリンはトランス脂肪酸が含まれていることで有名になってしまいましたが、実際トランス脂肪酸は私たちの身体にどのような影響を与えるのでしょうか。マーガリンの含有量なども含めて、詳しく見ていきましょう。

よくマーガリンなどに含まれていると聞く「トランス脂肪酸」って何?身体に悪いは本当?

2018年04月04日更新

ダイエット

Risa

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[1]トランス脂肪酸とは

よくマーガリンなどに含まれていると聞く「トランス脂肪酸」って何?身体に悪いは本当?
そもそも、トランス脂肪酸とはどのようなものなのでしょうか。どのような成分で、どうして発生してしまうのか見てみましょう。

不飽和脂肪酸に分類される脂肪酸の一種

脂肪酸とは脂質を作っている成分で、大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。このうち、不飽和脂肪酸はシス型とトランス型に分けられトランス型の脂肪酸を「トランス脂肪酸」と呼びます。

飽和脂肪酸は常温では固体で、不飽和脂肪酸は液体ですが、トランス脂肪酸においては常温では固体であるのが特徴です。基本的には人工的に発生するものと思われていますが、実は自然界の中にも少量存在しています。

トランス脂肪酸が発生する原因

トランス脂肪酸が発生する場面は3つあります。

  • 植物油等の部分水素添加により発生
  • 液体の植物油等を加工する時、そこへ水素を加えることで飽和結合を減らす方法があります。これは「部分水素添加」と言われ、油の硬さを適度に保つことができるようになります。そして酸化しにくくさせることができるのですが、この過程でトランス脂肪酸が発生してしまいます。

  • 油を高温で加熱することで発生
  • 食用油を製造している過程で、脱臭するために高温の水蒸気を吹き込むことがあります。油が高温になることで少量のトランス脂肪酸が発生します。また、家庭で揚げ物などをする時でも油を高温にしていますので発生します。

  • 牛などの胃の中で微生物によって発生
  • 牛や羊などの反芻(はんすう)動物は、胃の中に生息する微生物の働きによって天然のトランス脂肪酸が生成されています。このため、牛肉や乳脂肪には微量のトランス脂肪酸を含んでいることがあります。

[2]マーガリンにトランス脂肪酸が含まれるのはなぜ?

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マーガリン生成時にトランス脂肪酸が発生する

マーガリンというのは、精製した油脂に食塩や粉乳を加えて作られています。油脂には大豆油やコーン油などの植物油が使用されますが、マーガリンの風味や滑らかさを創り出すために「部分水素添加油脂」を加えています。
先ほどご説明した「部分水素添加」が行われているため、トランス脂肪酸が含まれてしまうのです。トランス脂肪酸の構造は安定しているので、酸化しにくくなり保存性を高くすることができます。

しかし、ヨーロッパなどではトランス脂肪酸の危険性を案じ、トランス脂肪酸入りのマーガリンを販売禁止にしている国もあるようです。

マーガリンとバターの違いは?

よく話題になるのがマーガリンとバターの違いですが、実はバターにもトランス脂肪酸が含まれています。しかしマーガリンばかりが悪く言われてしまうのは、トランス脂肪酸の種類が違うからです。

マーガリンのトランス脂肪酸は、部分水素添加の過程で生成される人工的なものですが、バターのトランス脂肪酸はチーズや牛乳にも含まれる天然のものです。

この人口と天然のトランス脂肪酸では、人工的なものの方が危険とされてはいますが、実際はどちらも同じという報告もあり現段階でははっきりとはしていません。

しかし、マーガリンとバターのトランス脂肪酸の含有量を比べると、明らかに天然の方が少ないので、マーガリンの方がトランス脂肪酸に関しては目立ってしまっているのです。

マーガリンのトランス脂肪酸の含有量は?

では実際に、マーガリンにはどれほどのトランス脂肪酸が含まれているのでしょうか。農林水産省のHPでは、1日の総エネルギー摂取量の1%未満までトランス脂肪酸を摂取してもいいとなっており、だいたい一人あたり1日2g以内に収めるべきとされています。

それを踏まえた上で、マーガリンとバターのトランス脂肪酸の含有量を見てみましょう。

【100g中のトランス脂肪酸の含有量】

  • マーガリン 0.94g~13g
  • バター1.7g~2.2g

商品によって含有量は大きく幅が出て、マーガリンでもバターよりトランス脂肪酸の含有量が少ないものもあるようです。

[3]トランス脂肪酸が問題にされる理由とは?

よくマーガリンなどに含まれていると聞く「トランス脂肪酸」って何?身体に悪いは本当?
トランス脂肪酸の摂取量をなるべく減らすよう、マーガリンを販売しているメーカーでも力を入れているところが多いですが、なぜこんなにも危惧されているのでしょうか。トランス脂肪酸を摂取することで、どのような影響があるのか見てみましょう。

細胞膜に入り込み細胞を弱くする

トランス脂肪酸が危険と言われる大きな原因の一つがこれです。トランス脂肪酸は、細胞の表面から細胞内の小器官を覆う生体膜を機能不全にしてしまうと言われています。

こうなると栄養素を取り込み老廃物を排出することもうまくいかなくなりますし、ウイルスや細菌を簡単に侵入させてしまい様々な病気の恐れが出ます。細胞が弱まるということは身体中が弱くなってしまうということなのです。

活性酸素を大量発生させる

私たちが普通の酸素を吸っているだけで、そのうちの2%ほどが活性酸素になります。多少の活性酸素はウイルスや細菌の芸帯をしてくれるので必要ですが、割合が多くなってしまうと身体を酸化させてしまいます。

トランス脂肪酸には、活性酸素を増やしてしまう働きがあるのです。身体が酸化すると、老化を招いたり、様々な炎症を起こしてしまいます。さらにビタミンやミネラルを大量に奪い取ってしまうのです。

血液が詰まる病気のリスクが高まる

トランス脂肪酸は脳梗塞、心臓病、動脈硬化などの血管が詰まる病気を引き起こしやすくなると言われています。血中の悪玉コレステロールである「LDL」を増やしてしまい、善玉コレステロールの「HDL」を減らしてしまう働きがトランス脂肪酸にはあるからです。

一定以上の量を摂取することで、肝臓での処理が追いつかなくなり、体内に散ってしまうことで血管が詰まりやすくなってしまうのです。

アレルギー疾患の悪化

トランス脂肪酸の過剰な摂取は肝臓に脂肪をつけてしまうので、「脂肪肝」を招いてしまいます。これにより肝臓の働きである解毒機能が正常に働かなくなり、代謝を妨害してしまいます。

そのため、汗などに有害物質が多く含まれるようになってしまい、あせもや湿疹などが出やすくなったり、悪化してしまう事態となります。また、免疫機能も低下させてしまうので、アレルギーに過敏に反応する体質になることもあります。

アトピーをお持ちの方は、さらに症状がひどくなったとの報告もあるようです。

妊産婦や胎児に影響することも

トランス脂肪酸を多く摂取していると、胎児の体重の減少や流産をしやすくなるとの報告もあります。

また、女性の排卵機能を狂わせたり、男性の精子量を極端に減少させしまうという研究結果を、アメリカのハーバード大学が出しています。男女ともに、不妊に関しても影響を与えるようです。

身体だけでなく脳へのダメージも

トランス脂肪酸の恐ろしい所は、身体だけではなく脳や精神にも悪影響を及ぼすことです。と言うのも、脳は60%ほどが脂肪でできているため、どんな油を摂取しているかで脳の働き方が変わってきます。

悪い油を取っていればそれだけ脳にも影響が出てしまい、スペインの研究チームの報告ではトランス脂肪酸を多く摂取していた人がうつ病になりやすいという研究結果を発表しています。

強いストレスなどで発病すると思われているうつ病ですが、最近では何を食べているか、どんな栄養を取っているかも関係していることが明らかになっているのです。

トランス脂肪酸を多く摂取してしまっていると、感情の起伏が激しくなって、コントロールが正常にできなくなってしまうかもしれません。

[4] アメリカ(米国)ではトランス脂肪酸が全廃になる

よくマーガリンなどに含まれていると聞く「トランス脂肪酸」って何?身体に悪いは本当?
トランス脂肪酸を心配する声のきっかけとも言えるのが、米国食品医薬品局 (FDA)がトランス脂肪酸の使用を段階的に禁止する方針を発表したことです。そして2015年6月16日には、「2018年以降、トランス脂肪酸の発生源となる油の食品への使用を原則禁止する」と表明したのです。

これにより、アメリカでは冠動脈疾患や致命的な心臓病を、年で数千件減らせる見込みを示しています。

日本の対応はないの?

日本人のトランス脂肪酸の摂取量は、アメリカ人と比べてとても少ないという結果が出ています。世界保健機関(WHO)が設定しているトランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー摂取量の1%未満です。

そして日本人の摂取量は、2012年の食品安全委員会の公表によると総エネルギー摂取量の0.31%ということでした。トランス脂肪酸に対しては、2012年よりも現在の方が様々な企業も対策していますので、この数値より減っているのではないかとも言われています。

そのため、通常の食生活であれば日本人はトランス脂肪酸に対して特別な対策は必要ないということです。ただ、油っこいものやお菓子などを多く食している方は注意が必要で、自己管理をしていかなければなりません。

[5]トランス脂肪酸を含む食品

トランス脂肪酸を語る時に、マーガリンが引き合いに出されてしまいがちですが、マーガリン以外にもトランス脂肪酸を含む食品は多くあります。その中の一部をご紹介します。

オイル系

どうしてもトランス脂肪酸が多くなってしまうのがマーガリンなどのオイル系です。

  • ショートニング
  • サラダ油
  • 牛脂
  • ラード(豚脂)

乳製品系

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乳製品系もオイル系と同様、加工する過程でトランス脂肪酸が発生してしまいます。取り過ぎには注意が必要です。

  • バター
  • チーズ
  • 生クリーム
  • コーヒーフレッシュ

スイーツ系

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お菓子には乳製品やオイルがふんだんに使用されているものが多く、トランス脂肪酸の含有量が高くなってしまいます。

  • スナック菓子
  • ケーキ
  • クッキー
  • パイ
  • ドーナツ

調味料系

調味料にも加工されたオイルが含まれているものが多く存在します。野菜を取るためのドレッシングなども、かけ過ぎには注意が必要です。

  • カレーやシチューなどのルウ
  • マヨネーズ
  • ドレッシング

トランス脂肪酸ゼロの表示があっても注意が必要?

加工食品の場合、JAS法の対象外となって使用されている油が複数あっても植物油脂とまとめて表示されていたり、全体の5%未満の使用量なら「その他」と表示できてしまいます。

そのため私たちが商品を手に取った時に、なんの油が使用されているのか分からない場合も多く存在します。また、遺伝子組み換えなどで低トランス脂肪酸へと組み替えられた新しい植物油も誕生していて、深い知識がなければ分からないというケースもあります。

[6]トランス脂肪酸の対処方法

よくマーガリンなどに含まれていると聞く「トランス脂肪酸」って何?身体に悪いは本当?
トランス脂肪酸は体内に蓄積されてしまう脂肪酸だと思われていますが、実際はエネルギーにすることもでき、体外に排出することも可能です。最後はその方法を見ていきましょう。

運動をして脂肪を燃やす

トランス脂肪酸をエネルギーとして使うためには、運動で燃焼させるしかありません。しかし、エネルギー源としてまずはブドウ糖から使われるため、脂肪が使われるまでには時間がかかります。

長時間の運動をしないと、なかなかトランス脂肪酸を燃やすことは難しいので、なかなかハードではあります。しかし地道に続けていくことで、確実に燃焼させることができます。

炭水化物の摂取を控えてみる

運動があまり得意でない方には、こちらの方法をおすすめします。身体の改善を行い、脂肪をエネルギーとして使用しやすくするのです。そこで有名なのが糖質制限です。炭水化物を控えることで糖質を制限し、体脂肪が分解されて発生する“ケトン体”を機能させるのです。。

糖を含む食生活は、ブドウ糖をエネルギー源にしてしまいますが、糖を抜くことで、身体はこのケトン体をエネルギー源にしてしまうのです。ケトン体が体内に増えるほど脂肪が燃焼される仕組みで、これで身体についている余計な脂肪燃焼を促します。

オメガ3脂肪酸を積極的に取る

最後はより良い油を摂取して、悪い油と入れ替えることです。おすすめなのがオメガ3系脂肪酸(α‐リノレン酸)です。オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は体内で作ることができないので、食事から摂取する必要があります。
しかし、現代人の食生活はサラダ油やお菓子などのオメガ6脂肪酸に偏りがちです。ここでオメガ3脂肪酸を積極的に取ることで、体内の脂質バランスを整え健康レベルを上げることができます。

また、脂肪細胞の脂肪の入れ替えることもできるので、結果トランス脂肪酸を排出させることができます。

[7]マーガリンなどの油の取り方はバランスが大事!

よくマーガリンなどに含まれていると聞く「トランス脂肪酸」って何?身体に悪いは本当?
私たちの身体は、食べた物から作られています。栄養素はそのどれもが役割があり、健康の助けになってくれますが、取り過ぎは逆に健康を害してしまいます。

確かにマーガリンには、比較的多くのトランス脂肪酸が含まれている商品がありますが、マーガリン自体が毒なわけではありません。しっかりと摂取量を考えれば、おいしくそして健康的な食事を取ることができます。何でもバランスよく摂取することが大切ですね。

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