パラベンとはどんな成分?パラベンフリーの化粧品は安全なの?
パラベンというと「お肌やからだに良くなさそう」といったマイナスイメージを持っている方が多いようです。特に敏感肌の方などは、製品を選択するうえで含まれているかどうか気になる成分のひとつでしょう。パラベンフリーを謳っている化粧品は数多くありますが、パラベンとはどんな成分なのか、パラベンフリーは安全なのかなど、パラベンについて考えます。
2018年06月06日更新
記事の目次
[1]パラベンとは
そもそもパラベンとはどのような成分なのでしょう。種類や特徴などについてみていきます。
パラベンはよく使用されている防腐剤
パラベンとは汚染、腐敗を防ぐための防腐剤の一種です。石油系由来の成分で、正式名称をパラオキシ安息香酸エステルといいます。80年以上も前から使われており、もっともよく配合されている防腐剤の一つです。化粧品だけでなく、食品や医薬品など、幅広く使用されています。
パラベンの種類
パラベンには種類があり、主に次の4種類があげられます。4種類は、抗菌力・刺激性の強弱が少しずつ異なります。
メチルパラベン
正式名称をパラオキシ安息香酸メチルといいます。防腐剤のなかで最も有名な成分で、目にすることも多いのではないでしょうか。肌への刺激も一番少ない成分です。いろいろな分野において活用されていますが、水に溶けやすいことから、特に化粧水の防腐剤としてよく使用されます。
エチルパラベン
メチルパラベンの次に刺激の少ない防腐剤です。微生物を広範囲にわたって抗菌するチカラをもち、油脂に溶けやすい性質の油溶性です。メチルパラベンと配合することで、パラベンの配合量を増やさず、防腐効果を上げることができます。
プロピルパラベン
パラベンの中では刺激が強いほうですので、注意が必要です。ですが、メチルパラベンと併用して、メチルパラベンが苦手な菌に働きかけてくれるため、効果的な防腐が期待できる防腐剤でもあります。
ブチルパラベン
こちらに紹介しているパラベン4種のなかで最も抗菌力、刺激力の高い防腐剤です。こちらは控えた方がいいとされているパラベンです。
パラベンの特徴
- 広い範囲の微生物に有効で、高い抗菌力をもっている
- 他の防腐剤と比較すると毒性が低く、肌刺激も少ない
- 少量で効果があり、持続性もある
- 抗菌力はあっても、殺菌力はない
- 安全性が高い
などがあげられます。このような特徴を利用して化粧品だけでなく、食品や医薬品など幅広く活用されているのです。
[2]パラベンが含まれる化粧品とは
化粧品にはさまざまな防腐剤が使われますが、パラベンは昔からよく利用されてきた防腐剤の一つです。化粧品においてのパラベンの存在がどのように影響しているのかみていきます。
化粧品にパラベンが含まれる理由
化粧品に防腐剤が配合される主な理由としては、腐敗を防ぐためです。ふたを開けた後、使用時に酸化が始まり、空気中の菌や手の皮膚についた雑菌が入ってしまうことで腐敗し品質がおちてしまいます。
また、変色・異臭なども起こってきます。微生物によって汚染された化粧品は2度と元の清潔な状態に戻すことができません。開封してから使い終わるまで清潔な状態で品質を保持するためには、腐敗を防ぐパラベンが特に適しているのです。
また、phに影響されないというのも理由の一つです。phとは水溶液の性質が酸性なのかアルカリ性なのかを表す単位です。0から14の数値でわけられており、7が中性、7より小さくなるほど酸性に、大きくなるほどアルカリ性になるとされています。人の皮膚は健康な状態で4.5~6.0の弱酸性です。脂性肌の方ほど酸性に、乾燥肌の方ほどアルカリ性にちかくなります。
つまり、パラベンが含まれることで、肌質・その時の肌状態に左右されることなく、化粧品の効果が得られるということです。では、パラベンが含まれているかはどう確認すればいいでしょう。
成分表示について
1980年当時は、トラブルが発生する可能性をもつ成分のみの記載が義務づけられていました。現在、旧指定成分とよばれています。その中にパラベンも含まれていました。そのことがパラベンは危険なもの、と考えられている理由の一つであるといえます。
しかし2001年に厚生労働省によって、化粧品には配合成分のすべてを記載しなければならないという決まりができました。そのため容器や箱を見ればパラベンが含まれているのかどうか、自分の目で確認することができます。
何種類かあるパラベンですが、1種類のパラベンが配合されていても複数のパラベンが配合されていても、同じように「パラベン」と一つの言葉で表示されていることが多いようです。また、表示順は基本的には配合量が多い順に表示されています。
パラベンの安全性
パラベンが幅広く使われているのには、安全性が高い点もあげられます。優れた防腐剤ではありますが、安全性についても知っておきましょう。
含有量
化粧品の成分はすべて厚生労働省の化粧品基準によって含有量が決められています。配合する成分は基準を超えてはいけません。パラベンの使用上限は1%と定められていますが、ほとんどの製品が多くても0.5%ほどしか含まれていないことがわかっています。
他の防腐剤でみてみると、フェノキシエタノールは4%、アルコールは10%、1.3-プチレングリコールは10%となっており、パラベンと比較するとかなり高くなっています。この配合率にしなければ、防腐効果が発揮できないとされているからです。
これはパラベンの安全性が確認されている配合率であり、人体に影響のない少量で効果があるということがいえます。
アレルギーの可能性
パラベンの摂取や肌への塗布により、アレルギーを引き起した例が実際にあります。しかしそれは大変まれで、だいたい1000人に3人くらいの割合だそうです。0.3%という数字が多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、安全性が高いとされていてもゼロではないため注意が必要です。実際に使用した際にお肌が荒れてくるような場合は使用を中止しなければなりません。
パラベンの副作用
アレルギーの他にも、副作用としてシミ・しわの原因の可能性があげられています。シミ、しわの原因とされる過酸化脂質がパラベンと紫外線で増加するとされているためです。
ですが、角質層が防護壁となって皮膚から中に浸透することはほとんどないとの意見もありますが、毛穴からの浸透などは十分に考えられるでしょう。また、がん患者の方の体内からごく少量ですが、パラベンの成分が検出されています。
パラベンは体内蓄積される物質です。体の中に入ったパラベンが蓄積されて、病気の進行を促している可能性があるとされているのです。どちらも原因であると証明されているわけではなく、可能性がある、ということです。
無添加であれば安心?
化粧品の無添加の表示は、パラベンのことを指すことが多いようです。安全、といえば無添加を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。イメージ通り無添加であれば安心して使用できるでしょうか。
無添加=添加物ゼロではない
無添加という言葉だけをみると、添加物が一切入っていないような印象を受けます。実際、そのように理解している方も少なくないでしょう。しかし、無添加に決められた基準があるわけではなく、メーカーが定義づけていることが多いのです。その定義とは、
・表示指定成分(旧表示指定成分)を全く使用していない商品
・表示指定成分(旧表示指定成分)の中で、メーカーが定めた1~数種類使用していない商品
のどちらかとしているメーカーが多いようです。表示指定成分とはアレルギーを引き起こす可能性が認められた102種類の成分のことです。つまり、メーカー側によって何を添加物とするのか決められるため、指定していない添加物なら配合されていても無添加と表示できることになります。無添加の表示があっても安心はできないのです。
パラベンと無添加化粧品
パラベンが気になる場合は無添加にも目を向け、正しく理解しておいた方が安心です。無添加といっても特定の成分のみ取り除いても、その他含まれている成分の刺激が強く、お肌に悪影響を及ぼす場合は意味がありません。パラベン以外の注意しておきたい主成分もみておきましょう。パラベンフリーにすることで、防腐材の役割をする他の成分が当然含まれているため、それがどんなものなのか、アレルギー反応はないものなのか、確認しておいた方が良いですね。
- アルコール
- 尿素
- AHA(アルファヒドロキシ酸)
- 界面活性剤
除菌・殺菌・清涼・収れんといった効果があるため、ふき取りタイプのものやメンズ化粧水などでよく使用されています。しかし、濃度が高いと刺激が強いため、乾燥の原因になってしまうことがあります。そのため、デリケート肌や乾燥肌・インナードライ肌の方は特にアルコールフリーの化粧品の使用がおすすめです。
尿素は、お肌の角質を柔らかくし、保湿効果のある成分です。かかとやひじなどの角質肥厚が起きやすい箇所に効果が期待できると古くから知られています。またハンドクリームなどにもよく配合されています。しかし、皮膚が薄い部分や炎症のある部分に使用すると、必要な角質まで溶かしてしまい、お肌の乾燥の原因や敏感肌になってしまう可能性もあります。
AHAとはアルファヒドロキシ酸の略称です。フルーツ酸とも呼ばれ、りんご酸・クエン酸・乳酸などの有機酸の総称です。角質を除去するピーリング材に配合されています。角質細胞の結合を弱め、老化角質を削り取る作用により、ターンオーバーを促進する効果があります。お肌のざらつき改善に効果的ですが、こちらも使いすぎると溶かしてはいけない必要な角質や薄い角質まで溶かしてしまうことがあるので注意しましょう。
界面活性剤は、水になじみやすい性質と油になじみやすい性質の両方をもっている成分です。その性質で水と油という混ざり合うことがないものを、混ざり合わせてくれるのです。洗浄・乳化・保湿など多くの機能があり、幅広く化粧品にも使われます。
石油系合成界面活性剤は肌刺激が強く、肌の酸化、劣化を進ませ、老化の原因となるものです。通常クレンジング料・洗顔料の中に配合される界面活性剤は刺激が強いものもありますが、それらはほとんどが、石油系合成界面活性剤といってよいでしょう。比較的にアミノ酸系界面活性剤は肌に優しいとされています。
どの成分にもやはりメリット・デメリットがありますが、パラベン以外にも気をつけた方がいい成分があることを理解し、自分に合う合わないを判断して、扱いには気をつけましょう。
[3]パラベンフリーの化粧品
無添加と同じような意味で使われるパラベンフリーですが、意味を正しく理解しメリット・デメリットもみていきます。
パラベンフリーの意味とは
言葉の通り、パラベンが使われていないということですが、ここでも注意が必要です。化粧品は未開封の状態で3年品質保持ができるものと決められています。そのため、パラベンという防腐剤は配合されていなくても他の防腐剤が配合されていることがほとんどです。パラベンが入っていないから防腐剤がはいっていない、というわけではありません。
パラベンフリーの化粧水
化粧品の中でも一番肌に浸透し、内部まで影響がありそうなイメージなのが化粧水ではないでしょうか。パラベンフリーの化粧水はよく見ますが、特にナノ化、角質までしっかり浸透、などと謳っていると他の成分も気にしたいところです。
パラベンが配合されていないという点では安心ですが、代替となる防腐剤はどうでしょう。パラベンの代替としてよく含まれているのが、フェノキシエタノールという成分です。どのような成分かみていきます。
フェノキシエタノール
フェノキシエタノールは、表示指定成分にはいっていなかったため、無添加化粧品にも配合されていることもあります。デメリットとしてパラベンに比べ、刺激が強いことがあげられます。少量で防腐効果があるパラベンに対してフェノキシエタノールはその4倍ほどの量を配合しなければ効果が期待できないとされています。
パラベンフリーの良い点と良くない点
アトピーや敏感肌の方などにとっては、パラベンがお肌の刺激になってしまうので、パラベンフリーのものを選びたい方が多いでしょう。また、パラベンは危険なものである、という考えをもっている方にとっても安心感をもって使用できることはメリットといえます。
しかし、先にも言いましたが、パラベンは配合されていなくても、ほかの防腐剤、それにかわる成分が配合されている可能性が高いので、その成分がかえってお肌を刺激してしまう、ということもあります。また、パラベン以外の防腐剤が何も使われていない場合は、その化粧品は腐敗しやすいため、保存・使用には注意が必要です。
使用するうえでの注意点
まず、パラベンの代替成分が含まれているか確認し、その成分が安全であるかを判断しましょう。もし、そういった防腐剤の役割を果たす成分が使用されていない場合、使用期限に十分注意して、そして保存方法にも気を付け、清潔に使用するよう心がけます。また、できるだけ早く使いきれるよう、小ぶりな容量のものを選ぶ、保存場所は高温多湿はさける、など工夫することが大切になります。
[4]気になるその他のパラベンフリー製品
化粧品だけでなく、他にもパラベンフリーを謳った注目度の高い製品を紹介します。
赤ちゃんのおしりふき
産まれてからオムツがとれるまで、毎日使うおしりふきです。肌が弱い赤ちゃんですので、できるだけお肌に優しく安全なものを、と考えるのは当然ですよね。パラベン以外にもアルコール成分なども刺激が強く、配合されているかいないか、気になるところです。
ぬるま湯にコットンが一番安心安全で優しい、という意見も多いようです。そのためか、純水99%と謳っている製品もありますが、成分をみてみると添加物や防腐剤がゼロではないですので、確認する必要がありそうです。
シャンプー
シャンプーは高温多湿なお風呂場に置くことが多いうえに主成分が水のため、特に細菌が繁殖しやすく、防腐剤を使わないと1週間ほどで腐敗、劣化してしまいます。そのため、パラベンフリーとなると代替のもの、または天然由来の防腐剤が入っています。しかし、どちらもパラベンより刺激が強くなってしまう場合もあります。
パラベンフリーにしても天然由来の防腐剤にしても、自分にあったものを慎重に選ぶ必要があります。使用していて、頭皮に痒みはないか、フケなどは出ていないか、髪の毛のハリやツヤは損なわれていないか、確認してみましょう。
歯磨き粉
ほとんどの方が毎日使っている歯磨き粉ですが、何を基準にその歯磨き粉を選ぶかというと、価格や味であったり、歯周病などの症状であったりとさまざまです。もし、成分で選ぶとすればパラベンなどの防腐剤は気になるところです。
そのパラベンが口腔内に必要な菌まで殺菌してしまう可能性があるという、歯磨き粉特有の悪影響があげられており、防腐剤を含まないものが好まれることがあります。まだ可能性の段階ですが、毎日口にするものですので、気になる方はより安心して使用するためには、パラベンフリーの歯磨き粉を選択するのも一つです。
[5]パラベンを正しく理解し、自分に合ったものを
パラベンは防腐剤として安全性が高く、防腐効果が優れている成分です。そのため多くの製品に配合されています。ですが、悪影響が全くないというわけではありません。また、パラベンフリーだからといって全てが安全安心であるわけでもありません。肌に合う合わないは人それぞれです。パラベンのメリット・デメリット・表示を正しく理解し、体に悪そう、といった漠然としたイメージにとらわれず、自分に合ったものを正しく選択したいものです。
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