スキンケア

夏の大敵!大人の肌トラブル「あせも」の原因と対策

暑い季節になり汗をかくことが増えて来ると、さまざまな肌トラブルが起きる場合があります。「あせも」もそんな肌トラブルの1つですが、赤ちゃんや子供がなるものだと思っていた人も少なくないのではないでしょうか。今回は「あせも」の種類や原因、対策までたっぷりご紹介していきます。正しい「あせも」の対処方法を知って、ツルツル美肌を目指しましょう!

夏の大敵!大人「あせも」の原因と対策

2018年05月14日更新

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記事の目次

[1]「あせも」について知りたい!

夏の大敵!大人「あせも」の原因と対策
あせも(汗疹)といえば、「子供によく見られる疾患」というイメージがありますが、年々猛暑が強まり、節電ブームなどの影響から大人でもあせもに悩まされている人が増えています。

「あせも」ってどんなもの?

あせも(汗疹)は、正しくは「汗疹(かんしん)」もしくは「汗貯留症候群(かんちょりゅうしょうこうぐん)」と言います。発汗することによって、肌に水ぶくれや皮膚の隆起ができてしまう、「皮膚疾患」の一種です。

  • 「あせも」ができやすい部位は?
  • おせもは、身体のどの部位であっても「汗をかき、その汗が蒸発しにくい場所に発症しやすい」という特徴があります。具体的にあせもができやすい身体の部位は、下記の通りとなります。

    ≪赤ちゃんの場合≫
    頭・おでこ・首周り・ワキの下・腰回り・おしり・脚の付け根・肘裏・膝裏など

    ≪大人の場合≫
    首周り・胸・お腹・背中・腕の内側など

特に背中は汗をかきやすい上に、寝汗もかくためあせもができやすく、広い範囲であらわれるので、特にかゆみを感じやすい部位になります。上記のような箇所に「かゆみ」を感じたり、「赤み」を見つけたら早めにあせも対策が必要になります。

「あせも」の種類と症状は?

あせもには、大きく分けて3つの種類が存在します。それぞれの特徴や症状をご紹介します。

  • 赤いプツプツなら「紅色汗疹」
  • 見た目に1番分かりやすく「赤みのあるプツプツした炎症」が起こり、かゆみが出るのが特徴で汗をかくとチクチクとした感覚になります。日本人のあせもの中で最も多いのがこのタイプです。

  • 白いポツポツなら「水晶様汗疹」
  • 「白いあせも」と呼ばれる「水晶様汗疹」は、顔や身体に直径1〜3mmほどの小さな水ぶくれのようなポツポツがたくさんできるのが特徴です。炎症が起きているわけではないので、かゆみも感じず自覚症状がない場合が多いので、気付かないうちに自然に治っているというケースが多くあります。乳幼児などによく見られるあせもです。

  • 白くて平らなら「深在性汗疹」
  • 赤みやかゆみはほとんどなく、皮膚の表面が炎症を起こしたり、でこぼこしたりしていないので見た目にはわかりにくいですが、体内に熱がこもった状態になりがちなので「熱中症」を引き起こすことがあります。

[2]「あせも」ができる原因は?

あせもができてしまう原因はいくつもあります。どういったケースがあるのかしっかり確認していきましょう。

  • 汗をよくかく
  • 気候による温度の変化や、運動、更年期などのホルモンバランスの変化、肥満や多汗体質など様々な原因で汗をかきやすくなっていることが、あせもができる原因になっているケースが多くあります。

夏の大敵!大人「あせも」の原因と対策

この場合は、たくさんかいた汗によって肌の表面の角質層がふやけてしまい、汗の出口がふさがってしまって汗が汗管を通って肌表面に流れ出ることができなくなり、水ぶくれのような水泡を作ってしまうのです。

このように皮膚に溜まってしまった汗が「かゆみ」や「赤み」を引き起こす原因になってしまうケースがあり、「あせも」の原因になっているのです。

  • 高温多湿で蒸れる
  • 汗の乾きにくい部位(ひじの内側・膝の裏側・足の付け根・胸など)や通気性の悪い衣類によって蒸れてしまった場合、本来流れ出るはずの汗がうまく排出されず、汗管が詰まってしまうことがあります。

    汗管が詰まってしまうと、たくさんの汗をかいた時と同じように皮膚に汗が溜まってしまい、あせもができやすくなってしまいます。他にも湿布や包帯、ギブスや絆創膏などを着用する場合も、蒸れてしまい汗管が詰まる原因になりやすくなります。

  • 皮膚のバリア機能低下
  • 本来、肌にはバリア機能があり外部の刺激から肌を守ってくれる働きがあります。バリア機能が低下すると、外部から刺激が入りやすくなったり、外に排出された塩分やアンモニアなどの汗の成分が、角質層の隙間から入り込んで肌に刺激を与えてしまいます。

    強い紫外線や、エアコンなどによる乾燥、洗顔のし過ぎなどがバリア機能を低下させる原因
    ですが、汗を気にして何度もシャワーを浴びたり、ゴシゴシと顔や身体を洗ってしまうと、本来肌に必要な皮脂まで取り除いてしまいます。さらに肌が乾燥しバリア機能が低下して、あせもや肌荒れの原因になるため要注意です。

  • 皮脂量
  • オイリー肌などで皮脂量が多いと、汗腺に油汚れが詰まってしまいます。だからといって、必要以上に皮脂を洗い流そうとすると、肌表面に負担がかかったりダメージ受けてしまうため、本来必要な常在菌が減少してしまい、前述したように逆に肌のバリア機能が低下した状態になってしまいます。

    そのような状態では、肌荒れを起こしたり炎症を起こしやすくなるため、あせもになりやすくなるのです。

  • 汗腺の密度・働き
  • 汗腺の密度が高かったり働きが鈍くなると、汗の量が増えたり、集中して汗をかいたり、汗管詰まりになりやすくなるため、あせもができやすくなります。

    実際に機能している能動汗腺の数は、3歳ごろまでに決まると言われていますが、子供の肌は大人の肌よりも表面積が小さいのに能動汗腺の数は変わりません。そのため、より集中的に汗をかくので、赤ちゃんや子供にあせもが多くなるのです。

  • 食事でタンパク質などの栄養素が不足している
  • 食事においても、栄養が偏っていたり栄養素が不足していると、肌荒れやあせも・湿疹などの原因になってしまう場合があります。

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    ≪タンパク質≫
    タンパク質が不足すると、代謝が上がらず排泄する機能が衰えてしまいます。

    ≪亜鉛≫
    亜鉛が不足すると、代謝が低下して「老化」を進めます。

    ≪ビタミンA≫
    ビタミンAが不足すると、上皮の粘膜が硬くなります。皮脂が少なく乾燥しやすくなります。汗のみが排泄されて、肌がアルカリ性に傾きやすくなります。

[3]「あせも」になってしまったら…予防と対策

色々ケアをしていたつもりでも、あせもになってしまったら…?ここでは、あせもの予防と対策・治し方についてみていきましょう。

「あせも」を早く治すポイント

  • 掻きむしらない
  • あせもは、とてもかゆくなる場合がありますが掻いてはいけません。なぜなら、掻いた箇所から黄色ブドウ球菌が感染して「おでき(あせものより)」ができてしまったり、水疱がつぶれると他の場所にまで患部が広がってしまい、最悪の場合「とびひ」にまで悪化してしまいます。

    あせものかゆみは、掻けばかくほどかゆくなり、「イッチ・スクラッチサイクル」と呼ばれるかゆみの連鎖によって、どんどん掻きむしりたくなってしまいます。こうなってしまうと、肌はどんどん荒れていきますし肌ダメージは大きいので、完治までに時間がかかります。

    早めに皮膚科を受診したり、爪を短く切っておくなど、早め早めの予防・対策をしておくことをおすすめします。

  • エアコンで温度調整をする
  • 最近は、「身体に悪い」「節電したい」などという理由から、真夏でもエアコンの使用を控えている方も多くいますが、エアコンを切っていると気温も湿度も上がってしまい、眠っている間などは特に大量の汗をかきます。

    これによってあせもが悪化するのはもちろんですが、かゆみが増して感染症などの進行につながったり、脱水状態になってしまったりするので、エアコンを上手に活用することをおすすめします。

  • 清潔にする
  • あせもは肌が炎症して起こるので、できるだけ肌を清潔に保つことが大切です。雑菌が増えると炎症の悪化を促進してしまいますので、汗をかいた時はタオルやウエットシートなどで拭き取るようにするといいでしょう。

    拭く時は肌に負担がかからないように、軽く押さえるようにしながら優しく拭き取ります。「あせもにはベビーパウダーが良い」と聞いたことがある人も多いと思いますが、それはあくまでも「あせもの予防」の場合です。

    すでにあせもになってしまっている場合は、汗口を塞いでしまったりして症状が悪化してしまうケースがありますので、使用は控えるようにしましょう。

  • 薬を使用する
  • あせもは、できるだけ短期間で集中して治療するのがおすすめです。長引くとかゆみによるストレスが増したり、掻きむしるリスクも高まります。短期間で治すためには、ステロイド系の外用剤がおすすめです。

    「副腎皮質ホルモン」とも呼ばれるステロイド剤には、免疫を抑制効果があるので、これでアレルギー反応を抑えてくれます。ステロイド剤はとても強い作用があり、細胞の増殖は押さえてくれるものの、皮膚が薄くなってしまうというリスクもあります。

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    使用後の副作用が怖いと言って、使用を避ける人もいますが、使用部位・症状に合わせた強さや剤形・用法や容量を守っていれば、感染症などによる症状の悪化のリスクは避けることができます。

    症状に応じて、十分な効力を持つ強さのステロイドを、1週間以内程度ピンポイントで使用することで、慢性化したり悪化したりするのを防ぐことができます。

    また、ステロイド剤は軟膏タイプのものが多くありましたが、最近ではクリームタイプ・ジェルタイプ・ローションタイプ・スプレータイプなどあり、症状や塗る患部によっては向き不向きがあるので注意しましょう。

    症状が治まらないときや、どれを使ったらいいのか分からないときなどは、できるだけ早めに医療機関を受診するようにしましょう。

  • 刺激の強い食事やアルコールは控える
  • たくさんの香辛料を使った食べ物やアルコールを飲むと、体温が上がり発汗が促されます。体温が上がり血行が良くなるとかゆみが増しますし、汗をかくとあせもを悪化させてしまいます。

    そのため、あせもが治るまではできるだけ刺激の強い食事やアルコールは控えることをおすすめします。

  • お風呂のお湯はぬるめに設定する
  • お風呂に入るときに、熱い湯船に浸かるのもあせもには良くありません。体温が上がると血流が促進されてかゆみが増したり、それによって身体を洗うときに強くゴシゴシとこすってしまいます。

    あせもの悪化はもちろん、肌のダメージにもつながります。ですから、あせもが治るまではぬるめのお湯に浸かるか、シャワーで済ませることをおすすめします。もし入浴中に、かゆみが強まった場合は、患部に水をかけてクールダウンするとかゆみを和らげることができます。

「あせも」を予防するには?

あせもにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?あせもを効果的に予防できる3つの方法をご紹介します。

  • 清潔にする
  • 汗をかくと、お肌の状態が弱酸性からアルカリ性に傾いてしまい、雑菌が繁殖しやすくなります。それに、汗をかいたままで長時間放置していると、汚れが皮膚に溜まって汗管が詰まりやすくなり、あせもになりやすい状態になってしまいます。

    そのため、まず最初に肌を清潔に保つことが大切です。あせもになってしまったときと同じように、濡れタオルで汗をふき取ったり、小まめに着替えたり、シャワーで汗を洗い流したりすると良いでしょう。

    ただ、汗をふき取る際、強くこすると肌表面のバリア機能を崩してしまいますし、過剰にふき取り過ぎると体温を下げる機能の妨げになり、結果的にあせもができやすい状態になってしまいますので、汗をふき取る際は気をつけましょう。

  • 衣類を選ぶ
  • 服を選ぶ時のポイントは、通気性が良くゆったりとしたものを選ぶことです。ポリエステルやナイロンなどの素材は、熱を逃がせないため汗が蒸発しにくく、雑菌の繁殖を促してしまうケースがあります。

    あせも対策のためには、綿素材や麻素材などの通気性が良いものがおすすめです。最近では吸湿性の高いものや、速乾性に優れたものなどの「高機能のインナーやシャツ」なども販売されていて、こちらもあせも対策には効果が期待できるのでおすすめです。

  • 保湿する
  • あせも対策と聞くと、通気性が良い衣類や体温の上昇を防ぐことが重要と言われており、「保湿」をすることは良くないと思いがちですが、実際には肌の内側には保湿が大切です。

    肌内部が乾燥してしまうとバリア機能が低下してしまい、肌荒れを起こしたり炎症が起きやすくなってしまうためです。


     
    夏場は紫外線を浴びたり、エアコンを使用したりすることで、肌は乾燥してしまいがちです。お風呂上がりにクリームやベビーオイルなどで油分を補い、日中はミストなどを使って水分補給をするなど、全身の乾燥予防を心掛けましょう。

[4]「あせも」に似た症状の病気

夏の大敵!大人「あせも」の原因と対策
「しっかりあせも対策をしているのになかなか改善されない!?」という場合、それはもしかすると「あせもではない」可能性があります。あせもに似ている病気について確認していきましょう。

  • とびひ
  • 「とびひ」はあせもや虫刺されがきっかけで起こりますが、正式には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。

    あせもをかきむしると患部が細菌に感染してしまい、その細菌が含まれる毒素は手に付着してしまうため、他に触れた部位にまで同じブツブツなどの炎症が増殖してしまうのです。

    とびひは、必ず水ぶくれができるわけではありませんし、空気感染もしませんが、接触すると感染する可能性が高いので、患部を覆う必要があります。放っておいても治りませんので、早めに皮膚科を受診しましょう。

  • エクリン汗孔炎
  • あせもができた所に「黄色ブドウ球菌」が感染すると、1cm程度のおできやしこりができてしまう場合があります。症状の軽い状態を「エクリン汗孔炎」と言い、ひどい状態を「あせものより」といいます。

    特徴は、おできに痛みやかゆみがあることで、おできを潰したときにでてくる液体に触れてしまうと、触れた周囲にも感染症が広がってしまいます。空気感染はしませんが、「エクリン汗孔炎」ができた時点で、早急に皮膚科で受診しましょう。

  • 汗あれ
  • お肌が汗の成分にアレルギー反応を起こしてしまうことを「汗あれ」といいます。汗あれは「接触性皮膚炎」の一種ですが、肌が赤くなったり、かゆみが強まったり、時には痛みが出ることもあります。

    お肌のバリア機能が低下しているときに起こりやすい症状ですので、保湿などのスキンケアや十分な睡眠を取るなど、肌の状態を整えるように心掛けましょう。

  • 汗疱状湿疹
  • ブツブツ状の水疱ができる症状を「汗疱」といいます。最初の水疱ができた時点では、なかなか自覚症状がない場合が多いようですが、水ぶくれが破れて皮膚がむけてしまった状態の「汗疱状湿疹」に悪化してしまった途端、痛みやかゆみの症状に襲われます。

    汗疱状湿疹は手のひらや足の裏などにできることが多く、一見水虫のようにも見える病気です。肌が弱っていると汗疱ができやすいので、お肌の手入れを念入りにしつつ、ビオチン(ビタミンB7)などを摂り入れて肌機能をアップさせましょう。

  • ニキビ
  • 背中や胸の部分にポツポツとできる「胸ニキビ」「背中ニキビ」は、皮脂が詰まってしまうことによってできてしまいます。思春期のニキビは、アクネ菌が原因でできるのに対し、胸や背中のニキビは「マラセチア菌」を増殖してしまうことで炎症に発展してしまいます。

[5]「あせも」の正しい知識と対策で美肌で夏を乗りきろう!

夏の大敵!大人「あせも」の原因と対策
あせもは、「早めに正しい処置」をすれば、完治が可能です。対策をある程度続けても治らないという場合は、早めに皮膚科に行って診てもらうようにしましょう。自分の肌に会ったお手入れ方法と、正しい予防・対策方法で、あせものないキレイな美肌を手に入れましょう!


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