太りやすいのは肥満遺伝子のせいだった!?遺伝子ごとの肥満タイプ3つとダイエット方法
「ご飯を減らしているのに痩せない…私だけ食べているものや量が周りの子と違うわけではないのに、どんどん太っていってしまう」「あの細くてかわいい子はどうしてそんなにたくさん食べても太らないのだろう」その答えは、人それぞれ体質が違うからです。つまり、人それぞれ持っている遺伝子が違っているため、痩せ型の人と同じダイエットをしても痩せられるとは限らないのです。自分の肥満遺伝子タイプを知って、それに合わせてダイエットすることで痩せやすくなるのです。
2018年05月19日更新
記事の目次
[1]肥満遺伝子とは
そもそも肥満遺伝子とは、厚生労働省※によると“エネルギー代謝に関連する遺伝子。太りやすさや肥満のタイプを左右する”と書かれています。左右するということはつまり、あなたが痩せやすいか太りやすいかは、肥満遺伝子によって決められているといっても過言ではないわけです。
また、肥満遺伝子はエネルギーの代謝に関係しています。その数は、これまでに日本でなんと50種類以上発見されています。非常に多くの要因が結びついて、あなたの肥満体質を決めているのです。
●参照:e-ヘルスネット
[3]肥満遺伝子タイプとダイエット方法
リンゴ型
先ほど肥満遺伝子が50種類以上あると紹介しましたが、その中でも日本人に多く存在する遺伝子、そうでない遺伝子があります。そのうち、脂肪を分解したりエネルギーの消費を調節したりする遺伝子は倹約遺伝子といいます。
これによって少ないエネルギーで体を動かす代わりに、余ったエネルギーを脂肪として蓄えてしまうのです。その倹約遺伝子のひとつ、β3AR(β3アドレナリン受容体)を持っているのがリンゴ型の特徴です。
リンゴ型は日本人の34%が保有していると言われており、糖質の代謝が悪いためそれによって太りやすいです。また、お腹周り、つまり内臓脂肪がつきやすいのです。女性より男性に多く見られ、糖尿病や脂質異常(高脂血症)、脂肪肝などになる危険があります。
リンゴ型の方におすすめのダイエット方法は、低糖質ダイエットと有酸素運動です。どちらも同時並行で行うと良いでしょう。
洋ナシ型
洋ナシ型の人が持っているのは、25%の日本人が保有するUCP1(脱共役たんぱく質1)という遺伝子です。この遺伝子を持つ人は、基礎代謝が100kcal低くなります。また、脂質の代謝が悪く、それによって太りやすく、かつ痩せにくい体質です。
下半身が太りやすく、それはつまり皮下脂肪がつきやすいことを意味します。男性よりも女性に多く見られ、ガンや、女性の場合は子宮関係の病気になる危険があります。
洋ナシ型の方におすすめのダイエット方法は、低脂肪ダイエットと下半身筋トレ&ストレッチです。どちらも同時並行で行うと良いでしょう。
バナナ型
バナナ型の方が持っているのは、β2AR(β2アドレナリン受容体)で、これは倹約遺伝子ではなく、なんと痩せる遺伝子なのです。別名逆肥満遺伝子と言います。というのも、この遺伝子によって基礎代謝量が200〜300kcal増えるのです。
バナナ型の方の特徴は、線が細くて太りにくいと同時に、筋肉がつきにくいため、一度太ると痩せにくい体質です。日本人には16%しかおらず、男女比もほぼ半々です。ただし、心臓病やうつ病、低血圧の危険があるので注意が必要です。
バナナ型の方におすすめのダイエットは、高タンパクメニューと全身の筋トレです。どちらも同時並行で行うと良いでしょう。
アダム・イブ型
先ほどのチェックリストにはなかったタイプです。というのもこのアダム・イブ型は日本人にはとても珍しく、2〜3%ほどしかいないといわれているのです。特に遺伝子における特徴は見られないため、太る原因には生活習慣が大きく影響します。
アダム・イブ型の方は、普段の生活習慣に気をつけて、バランスの良い食事と良質な睡眠、そして適度な運動を心がけると良いでしょう。
[4]複合型って?
ここまででリンゴ型、洋ナシ型、バナナ型、そしてアダム・イブ型と4種類のタイプを紹介してきましたが、中にはどれかに絞ることができなかった方もいるでしょう。
実は日本人の中には、3つの肥満遺伝子を複数持つ複合型の場合もあるのです。複合型の場合、それぞれの特徴を併せ持ってしまうためにもっと太りやすい体質なのです。
例えば、糖質に注意が必要なリンゴ型と脂質に注意が必要な洋ナシ型、両方の遺伝子を持ち合わせている場合、糖質と脂質両方に気をつけて食事を摂取する必要があるのです。
[5]将来の肥満は赤ちゃんの頃で決まる?!
これまでに肥満遺伝子が自分の体質を左右すると述べてきました。肥満“遺伝子”というだけあって、生まれた時点で自分の体質は決まってしまっているのではないかと思うと、ダイエットを行なうにもやる気が失せてしまいますよね?
しかし、肥満遺伝子の他にも太りやすさを左右しているものがあります。それは、脂肪細胞の個数です。
脂肪細胞とは中性脂肪が蓄えられる場所です。食事で栄養を摂取したらエネルギーとして燃焼されるのですが、余ったものは中性脂肪となります。つまり、余分な栄養が蓄えられる場所なのです。研究によると、この脂肪細胞の数は余計な糖質や脂質を取りすぎていると分裂を繰り返して増えていきます。
それは、甘いものや脂っこいものを摂取しすぎると脂肪を溜め込む場所がどんどん増えていくことを意味します。
また、脂肪細胞は様々な生活性物質を分泌しています。そのうちのひとつに、レプチンがあります。レプチンは、満腹中枢を刺激する物質です。これは、摂食や代謝、生殖異常に影響します。
この脂肪細胞、実は3歳までに個数が決まってしまうと言われています。それは、その人が脂肪を溜め込みやすいか否か、つまり太りやすいか否かは、親の育て方次第で決まってしまうのです。
生まれてから3歳までの間、期間ごとにお母さんが注意するべきポイントがあります。時期ごとに見ていきましょう。
胎児期
胎児期は、まだ赤ちゃんが生まれる前でお母さんのお腹の中にいる段階です。この時期のうちでも特に、妊娠末期の3ヶ月間が脂肪細胞の増加に影響する時期です。しかも、この頃はお母さんはつわりが終わって食欲が増す時期でもあります。
その食欲に則って過剰にエネルギーを摂取してしまうと、それが大事なお子さんの脂肪細胞の個数を増やしてしまうことになるのです。
乳児期
乳児期は、名前の通りお母さんの母乳が主食です。お母さんの食生活がそのまま赤ちゃんに影響してしまいます。
とはいえ、「粉ミルクなら大丈夫」というわけではありません。赤ちゃんにとって母乳よりも哺乳瓶で飲む粉ミルクの方が簡単に飲めるので、ミルクを飲みすぎてしまう危険があるのです。
第二次成長期(思春期)
この時期は何と言っても食欲旺盛になります。あまりに食べすぎてしまうと、脂肪細胞がどんどん増えてしまいます。また、この時期に太ってしまうと、将来太りやすい体質のままになってしまうことが多くあるので注意が必要です。
それでは、これらの太りやすい時期をやり過ごせばもう大丈夫なのでしょうか?実はそうとも限りません。これらはあくまで、脂肪細胞が増えやすい時期です。
脂肪細胞はみんなが持っているものです。これらの時期に痩せていたからといって、暴飲暴食をしてしまえばいつだって太る可能性があるのです。
特に女性は妊娠や出産があります。さらに、歳を重ねるにつれて基礎代謝が下がります。それにもかかわらず、同じだけのカロリーを摂取していたら、もちろん太ってしまうのです。
[6]おすすめの肥満遺伝子診断キット5選!
詳しく知りたい方は、遺伝子検査キットがおすすめです。送られてきたキットを利用して自宅で採取し、会社に送り返して結果を診断してくれるというものです。多くは肥満遺伝子6種を調べてくれるようです。日本でDTC遺伝子検査事業を行なっている会社は10社ほどあります。その中でも人気のトップ5をご紹介します。
[7]あなたに合った痩せ方を知って無理なくダイエットしよう!
肥満遺伝子の存在を知るまでは、テレビで紹介されていたダイエット法を試してみたり、友達が痩せたダイエットを試してみたり、とにかく色々試してみるしか痩せられる方法を知るすべはなかったかもしれません。
しかし、肥満遺伝子というものが存在し、人それぞれ体質や太りやすい部位、原因、そしてダイエットの方法が違うということを知っていただけたのではないでしょうか?同時に、脂肪細胞も一要因になっていることが明らかになりましたね。
「モデルさんと同じダイエットをしても痩せなかった」「昔太っていた人が痩せた方法でも痩せられなかった」という方も、自分の体質に合ったダイエットを実行することで、効率よく痩せられるのです。
今回紹介したダイエット方法は、無理な食事制限を推奨しているわけではありません。自分に合った食事と運動を通して、健康で美しい体型を目指しましょう!
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