美肌を目指すならまずは皮膚について知ろう!構造やそれぞれの役割とは?
美肌のために高価な基礎化粧品を揃えたり、サロンでトリートメントを受けたりなど、お肌のメンテナンスに力を入れている方は多いのではないでしょうか?しかしそのスキンケア、本当に意味がありますか?皮膚の構造を知らないで行っていると、間違った方法や商品を選んでしまいがちです。今回はお肌の構造や役割について徹底解説いたしますので、日頃のスキンケアに役立ててみてください。
2018年05月18日更新
記事の目次
[1]皮膚の構造は大きく分けて3層からできている
人にとって皮膚とは
人間の組織の中で、1番面積が大きく重量があるのが皮膚です。成人女性でその面積は畳1畳分に相当する、1.6㎡で、重さは3kgほどになります。脳は1.4kg、肝臓でも2kgですので、その重さがなんとなく想像できるのではないでしょうか?
皮膚は多くの働きを担っています。腸はよく第2の脳と言われますが、それに次いで皮膚も第3の脳と考えられるほど、重要な機能を持っているのです。外部からの刺激を感知したり、体温を調整したり、水分の蒸発を防いだり、生命を維持するための重要な役割を果たしています。
私たちが目に見えないような情報も、最外層である皮膚は鋭く感じとり、時には身体を守り、そして、例えば緊張状態の時に汗をかく、恐怖感で鳥肌が立つといった感情表現を担うこともあります。
また、皮膚はその人の第一印象にも直結してしまいます。多くの人がお肌のメンテナンスやケアに、時間とお金をかける理由が分かりますね。私たちが考えている以上に、多くの役割を行っているのが皮膚なのです。
皮膚は3層構造
皮膚の構造は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層からできています。1番外側にある表皮は外部からの刺激やちりやほこり、菌などから守る役割があり、その下の真皮には瑞々しさやハリ、弾力を守る土台の役割があります。
1番深くにある皮下組織はクッションとして皮膚を守っています。それではさらにに細かくそれぞれの構造や役割を見ていきましょう。
[2]表皮の構造と役割
表皮とは皮膚の1番外側にある目に見える部分で、暑さは0.2mmほどしかありません。ティッシュペーパー1枚程の薄さの中に、「角質層(かくしつそう)」、「透明層(手のひら、足の裏のみに存在する)」「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」の大きく4つの層があり、それぞれの層でバリア機能やターンオーバーなどの役割を担っています。
表皮は4層構造
それでは表皮の4つの層を詳しく見てみましょう。
- 角質層(かくしつそう)
- 顆粒層(かりゅうそう)
- 有棘層(ゆうきょくそう)
- 基底層(きていそう)
- 乳頭層
- 乳頭下層
- 網状層
- 白色脂肪細胞
- 褐色脂肪細胞
角質層は、皮膚の中でも最大のバリア機能を果たしているところです。もし角質層を失えば、体内の水分はどんどん逃げていきますし、外からの刺激もダイレクトに受けることになってしまいます。防御機能が無くなってしまうのと一緒ですので、生命維持も難しくなるほどです。
そんな角質層は、「角質(角化)細胞」と「細胞間脂質」でできた10から20の層になっています。イメージとしては、角質細胞がレンガのように並び、その間を埋めるセメントのように細胞間脂質があります。細胞間脂質は、水分を保持する機能が高く、セラミドなどの物質で構成されています。
皮膚表面は、皮脂+汗で構成される皮脂膜によって4.5~6.0の弱酸性のphを保ち、菌の繁殖や乾燥などを防いでいます。
角質層の下にあるのが顆粒層です。扁平な形をした顆粒細胞からできていて、層は2~3層構造になっています。お肌のバリア機能を担っていますが、その中でも特に注目すべきは紫外線を防御できるということです。
顆粒細胞質の中には「ケラトヒラリン顆粒」というガラス状の粒が多数存在し、それが肌に侵入しようとする紫外線を反射させて奥深くに届くのを防いでくれるのです。
このケラトヒラリン顆粒には「プロフィラグリン」という物質が含まれていて、これが「フィラグリン」に変化すると、皮膚のバリア機能を正常に働かせる役目や、炎症を防ぐ働きします。お肌の保湿とバリアには欠かせない層です。
顆粒層の下にあるのが有棘層で、有棘細胞で構成された10層ほどになっていて、表皮の中で最も厚い層となっています。表面は細かい棘状になっていて、細胞同士をしっかりと結びつけています。有棘層と言う名前もその形状から取られていますね。有棘層にはリンパ液が流れている他、知覚神経も通っています。
有棘層には様々な役割があります。有棘層内にある「ランゲルハンス細胞」という、樹状細胞(樹の幹のような形をしている)は、角質層、顆粒層を越えてきた外部からの刺激(細菌やウィルス、かび、紫外線、寒冷といった刺激)に対しての防御作用のある免疫機能を備えた細胞です。また、「ランゲルハンス細胞」は皮膚内部の状況を脳に伝達する働きもあります。異物が入ってきたと判断した時におこる反応が「アレルギー反応」です。
表皮の1番下層は基底層です。楕円形の核を持っているため、「円柱細胞層」と呼ばれることもあります。次の大きな層となる真皮に接している部分です。基底層は1層からなり、角化細胞の幹細胞や基底細胞でできています。
基底層の大きな役割は新しい細胞を生み出すことで、ここで作られた細胞をどんどん上の層に押し上げていき、最終的には角化細胞となって垢として皮膚から剥がれ落ちていきます。これをターンオーバーと言いますが、基底層で正常に細胞分裂が行われ新しい細胞が作られないと、ターンオーバーが乱れ、角質層が肥厚し、乾燥をはじめとする肌老化の原因となります。
また、基底層には基底膜があり、ここで真皮にまでダメージを与えないように守る働きもあります。更に、メラノサイトと言われるメラニン生成細胞があり、メラノサイトは基底細胞の10個に1つの割合で存在しており、紫外線からの刺激をガードしています。
表皮は肌のバリア機能を担っている
表皮の構造を細かく見てみるとわかるように、お肌を守るためのバリア機能に特化した層となっています。外部から身体を保護する部分でしたね。外部からの有害な物質の侵入を防ぎ、紫外線からも防御する働きをしています。
また、内側から水分が蒸発してしまうことも防ぎ、潤いの維持に貢献しています。エイジングケアにも関係が深い、バリア機能とターンオーバーを担っているのが表皮の部分なのです。
[3]真皮の構造と役割
次は表皮のさらに下にある真皮について見ていきましょう。真皮は皮膚にとって最も主要な部分とも言えます。表皮の厚さは0.2mmでしたが、真皮は1.8mmとかなり厚くなり、皮膚の90%を占めているのです。
その構造は「乳頭層(にゅうとうそう)」、「乳頭下層(にゅうとうかそう)」、「網状層(もうじょうそう)」の3層から成り立っています。その主な役割はお肌の弾力やハリを保つことです。
真皮は3層構造
それではその3層についてさらに細かく見ていきましょう。
真皮の1番上にあるのが乳頭層で、そこには「乳頭突起」という突起がびっしりと並んでいます。これは表皮側から出ている「表皮突起」と向かい合い、組み合わさるようになっています。リンパ管や毛細血管、神経などが乳頭層に届いているため、皮膚の感覚を司り、表皮に酸素や栄養を供給する役割があります。
また、微量ですがコラーゲン線維とエラスチン線維もあります。年齢を重ねるごとに、乳頭突起は減っていくものです。これが減ると表皮との結合部分が平らになっていってしまい、伸縮性を失ってたるみやハリが失われる原因になってしまいます。また、表皮への栄養補給も効率が悪くなってしまいます。
乳頭層の最下層にあるのが乳頭下層と呼ばれる層です。構造や成分はほとんど乳頭層と同じです。繊維がまばらになっているので、水分量が多いのが特徴です。
真皮の1番下に位置するのが網状層と呼ばれる層で、大部分がコラーゲン線維とエラスチン線維でできています。その間を埋めるように基質か存在しています。状態としては、細い線維が網目状に並んでいます。
ところどころに「線維芽細胞」があって、コラーゲン線維、エラスチン線維、基質を作る働きをしています。この層ではより強くお肌のハリや弾力を守る役割を担っています。
真皮は肌の弾力を維持する役目
皮膚の大半を占める真皮は、とにかくお肌のハリと弾力を保つための層です。これは、真皮にはコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質、プロテオグリカンやヒアルロン酸などの間質成分がたっぷりとあるからです。
その中でもコラーゲンは真皮の70%を占めていて、ハリと弾力を守るために大きく関わっています。そのため、線維芽細胞の衰えによる真皮の劣化はたるみやシワ、二重あごやクマが目立つなどの老化の原因となってしまいます。
[4]皮下組織の構造と役割
皮膚の構造で1番下にあるのが皮下組織で、真皮と表皮を支えています。真皮と筋膜に挟まれているので、皮膚と筋膜をつなげる役目もしていて、「表層筋膜」と呼ばれることもあります。皮下組織は他の層との境目がはっきりしていないのが特徴で、汗腺が入り組んだり、顔の部分では表情筋が入っている部分もあります。
皮下組織は主に「皮下脂肪(脂肪細胞)」で構成されていますが、その間を縫うようにリンパ管、動脈、静脈などが通っています。この脂肪が神経や血管を保護するクッションのような役目を担っています。皮膚の中で1番奥深いことから、スキンケアの対策がなかなか難しい場所でもあります。
皮下組織はほとんどが皮下脂肪でできている
皮下組織のそのほとんどが皮下脂肪からできている柔らかい組織です。そして皮下脂肪には「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があります。この2種類の皮下脂肪はそれぞれ役割が異なりますので、どのような役割があるか見ていきましょう。
白色脂肪細胞はみなさんが良く知っている「脂肪」のことです。ここでは余ったエネルギーを蓄える貯蔵庫のような役割があります。また、様々なホルモン性の物質を血液の中に分泌する働きがあると、最近では注目されています。
白色脂肪細胞が多く存在するのはおなかやお尻、太ももや内臓回りなどで、特に女性の方が多く全体体重比の20〜25%を占めます。脂肪と聞くと良くないものと思われがちですが、適度な量はお肌のハリの源にもなりますし、女性らしいボディラインを作るのにも欠かせません。
しかし脂肪が増えて皮下組織全体が厚くなりすぎると真皮の弾力を奪ってしまうこともあります。そしてお肌のたるみを招き、老化を早めてしまうので注意が必要です。
褐色脂肪細胞とは色が茶色の脂肪のことです。白色脂肪細胞は身体のいたるところに存在していますが、褐色脂肪細胞は肝臓、心臓、首の回りや背中、脇の下など限られた部位にしかありません。そのため脂肪細胞の約1%しかなく、特に年齢を重ねるごとに減少していきます。
褐色脂肪細胞の役割というのは、脂肪を燃やしてカロリー消費を促すことです。そのため、熱を生み出し体温調節したり、食事で得たエネルギーを燃やすことができるのです。これは白色脂肪細胞と逆の働きをするということで、褐色脂肪細胞が活発に働いている人は、痩せやすい体質になれるということです。
また、活発に働かせるためには寒冷刺激が関係していると言われ、寒い環境にいることでより活動するようです。
皮下組織は身体のクッションだけでなく、栄養運搬や老廃物の排出を行う
皮下組織は白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の皮下脂肪が主軸となり構成されています。皮膚の最下層にあるので、身体の内部をクッションとして守ってくれるだけでなく、外部からの刺激や衝撃も緩和して内側から保温したり断熱したりすることもできます。
そして、エネルギーを脂肪として蓄えておく役割もあります。皮下脂肪はぜい肉と呼ばれるなど、あまりいいイメージはありませんが、適度な量であれば身体を守る大切な組織なのです。また、皮下組織にはリンパ管や血管が通っていて、この流れをよくすることで栄養の運搬や老廃物の排出がスムーズになり、美肌への近道となります。
[5]皮膚の構造や役割を知ることが、正しいスキンケアへの第一歩
スキンケアの正しい方法は知っていても、お肌の構造や役割を知らないと何のための工程なのかを理解することは難しくなります。また、思い込みでお肌のメンテナンスを行ってい、良かれと思って行ったことが逆効果で肌トラブルの原因になってしまうこともあります。
皮膚がどのような構造になっているか知れば、どのように扱えればよいのかが見えてきます。それぞれの組織の働きを知れば、何を補充するなのか最適な答えが見つかります。目先の情報だけにとらわれず、まずは自分自身の身体について理解することが、本当のスキンケアの始まりになりますよ。
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