スキンケア

美肌作りに不可欠な線維芽細胞とは?その働きと増やす方法をご紹介

肌のハリやツヤ作りに重要となる「線維芽細胞」という言葉を聞いたことがありますか?線維芽細胞はコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作りだす細胞のことで、エイジングケアには欠かせません。この線維芽細胞はどのような働きをするのか、また線維芽細胞を増やす方法はあるのか、気になる線維芽細胞を詳しくご紹介します。

美肌に効果のある線維芽細胞って何?線維芽細胞の働きと増やす方法をご紹介

2018年05月18日更新

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記事の目次

[1]線維芽細胞について

線維芽細胞とは

線維芽細胞とは、肌のハリや弾力、ツヤを維持するためには必要なコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作りだす源となる細胞のことです。コラーゲンやエラスチンは、肌にハリや弾力を保つる大切な存在です。

線維芽細胞が活発に働いていることで、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の新陳代謝がスムーズに行われて、ハリ、弾力のあるみずみずしい肌を保つことができるのです。

線維芽細胞は働けなくなった場合

美肌に効果のある線維芽細胞って何?線維芽細胞の働きと増やす方法をご紹介
紫外線のダメージを受けたり、加齢によって線維芽細胞は衰え、正常に働かなくなります。そうなると新陳代謝がスムーズに行われず、コラーゲンやエラスチンが減少、劣化して弾力を失います。

そしてヒアルロン酸も失われることで、肌の水分が減少します。そうすると、皮膚は緩んだ状態となりシワやタルミが表れるのです。他にも、たるみ毛穴や目の下のたるみ、黒くま、ほうれい線、頭皮のたるみも線維芽細胞の衰えによる真皮層の劣化が原因の1つと言われています。

真皮とは何か?肌の構造ってどうなっているの?

私たちの肌は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層から成り立っており、それぞれに役割を持っています。

  • 表皮
  • 皮膚の一番外側にあるのが表皮で、外部の刺激から肌を守る役割があります。表皮の中でも外側から「角質層」、「顆粒層」、「有棘層」、「基底層」の4つの層から成り立ち、「基底層」で作られた肌細胞は通常28日間で角質層へ押し上げられ、剥がれ落ちていきます。

  • 真皮
  • 真皮は皮膚の本体とも言う部分で、線維芽細胞は真皮を形成する成分を生みだしています。厚さは平均して2mmほどで、コラーゲンは真皮の約70%を占めており、主成分でもあります。

    コラーゲンは線維状のたんぱく質であり、真皮の中で網目状のネット構造を作り、それをエラスチンがベッドで言う「スプリング」のようにサポートしています。そしてコラーゲンとエラスチンのすき間に、基質と言われるゼリー状のヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などが存在します。

    コラーゲン、エラスチン、基質でスポンジのようなイメージで、皮膚の弾力性を支えているのです。

  • 皮下組織
  • 皮下組織は、体温を維持して熱が逃げないようにする断熱材としての役割があります。また、エネルギーを貯蓄して外部からの衝撃を和らげるクッションのような働きもあります。

線維芽細胞が作る成分

  • コラーゲンをつくる
  • コラーゲンとはたんぱく質の1つで、皮膚の強度を保つ物質です。真皮の構造の主成分であり、約70%も占めます。ハリのある肌になるためには、欠かせない成分なのです。

    よく健康食品の番組でみるようなプルプルしたものがコラーゲンだと思いがちですが、実際のコラーゲンは固く、皮のスーツのような質感をしています。コラーゲンを作りだせるのは線維芽細胞だけなので、肌にとって欠かせない存在なのです。

  • エラスチンをつくる
  • エラスチンもコラーゲンと同様にたんぱく質の1つで、皮膚の弾力性を保つものです。真皮の中には2~3%ほどしかエラスチンはありませんが、肌の弾力を保つために重要な成分です。ぷるぷるした肌を保つためには、コラーゲンよりエラスチンが働いているのです。

  • ヒアルロン酸をつくる
  • ヒアルロン酸は多糖類の1つであり、皮膚の水分を保つための物質です。「みずみずしい潤いのある肌」には欠かせない成分であり、保湿力の高い物質として多くの化粧品に含まれています。

[2]線維芽細胞の働き

古くなった成分を分解する

コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンをつくる作用のある線維芽細胞は、古くなったそれらを分解する働きがあります。線維芽細胞が活発に働くことにより、真皮層内の新陳代謝がスムーズに行われ、ハリや弾力のある肌を保つことができます。

線維芽細胞を増やす

線維芽細胞は自分自身で細胞分裂を行い、細胞を増やすことができます。身体全体が健康であり、若々しく保っていることで線維芽細胞の代謝がスムーズに行われ、肌の健康も保つことができます。

身体全体を健康に保つことで肌のトラブル改善に繋がる可能性もあるのです。

新しい血管を作るサポートをする

線維芽細胞はVEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)という細胞増殖因子を放出します。その細胞増殖因子は血管の内皮細胞に働きかけ、新しい血管をつくる働きがあります。線維芽細胞の働きを活発にすることで、肌の血管を若々しく保つことができるのです。

女性ホルモンをつくる

美肌に効果のある線維芽細胞って何?線維芽細胞の働きと増やす方法をご紹介
線維芽細胞には、美肌ホルモンとも言われる女性ホルモン「エストロゲン」を作る働きがあります。アロマターゼという男性ホルモンであるアンドロゲンをエストロゲンに変える酵素を出すことができるのです。

そして、女性ホルモンであるエストロゲンには、コラーゲンを作るのをサポートしたり肌の潤いを保つ働きがあります。このエストロゲンは年齢を重ねるごとに減少していき、50歳前後の閉経時期を迎えるとほとんど分泌しなくなります。

もともとエストロゲンは卵巣で作られていたのですが、30歳を超えたあたりからは皮膚でも増えるようになり、身体の中からエストロゲンを過度に減らさないようにバランスを取っているとも考えられます。

しかし、線維芽細胞が紫外線のダメージを受けると効果は発揮されなくなるので、紫外線ケアが重要なのです。

肌を修復する

肌が傷ついた場合、線維芽細胞は大量のコラーゲンを生成することで修復をサポートする働きがあります。これは線維芽細胞増殖因子であるFGF(Fibroblast Growth Factor)が深く関係しており、損傷部分に働きかけ、修復を行っているのです。

[3]線維芽細胞を増やす方法

プラセンタを摂取する

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線維芽細胞を増やすためには、線維芽細胞増殖因子(FGF)を積極的に摂取しましょう。実は線維芽細胞増殖因子を多く含んでいるのは、プラセンタなのです。

プラセンタは美容成分やエイジングケア成分として広く認知されており、アミノ酸やビタミン、ミネラルが豊富に含まれているのが特徴です。サプリメントやドリンク類からの摂取が中心になりますが、プラセンタ原液の美容液もおすすめです。

コラーゲンを摂取する

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これまでコラーゲンを口から体内に入れてもあまり効果はないとされてきましたが、最近の研究では線維芽細胞を増やす働きがあると言われるようになりました。消化器官で分解しきれなかったコラーゲンの破片である、コラーゲンペプチドが体内に吸収されます。

吸収される時に肌に傷などがあると、線維芽細胞が修復するために増殖するのです。そのため、コラーゲンを口から体内に摂り入れる場合には、肌や身体に傷やダメージがあると効果があるということです。

コラーゲンは、ゼラチンやコラーゲンペプチドからも摂取することができ、一番効率が良いのはコラーゲンペプチドと言われています。コラーゲンペプチドは分子が小さいので、消化吸収されやすいのです。

ビタミンCを摂取する

線維芽細胞を増やすためにも、ビタミンCは重要な役割があります。体内に取り込んだビタミンCを線維芽細胞は細胞の中に蓄えることができますが、蓄えているビタミンCが不足してくると、コラーゲンの構築がスムーズに行われなくなります。

ビタミンCには線維芽細胞内でコラーゲンの遺伝子を生成したりコラーゲンのたんぱく質合成を促進したりと重要な働きがあるので、ビタミンCによってコラーゲンを保つことは線維芽細胞を保つことにもつながります。日常的にビタミンCを積極的に摂取するように心がけましょう。

  • ビタミンCを含む食材
  • レモン、赤ピーマン、ゆず、パセリ、めんたいこ、柿、キウイフルーツ、ブロッコリー、いちご、芽キャベツ、ゴーヤ等

ビタミンAを摂取する

ビタミンCと同様、ビタミンAにも線維芽細胞を増やし、活性化させる働きがあります。しかし、ビタミンAを含む食品は案外多いので、不足するのを心配するよりも過剰摂取を心配したほうがよさそうです。

特にビタミンAを多く含む食品は妊婦さんにとって必要な食品が多く、過剰摂取には注意してくださいね。

  • ビタミンAを含む食材
  • レバー、卵、バター、チーズ、牛乳、うなぎ、あなご、ほうれんそう、小松菜、かぼちゃ、にんじん、ほたるいか等

イソフラボンを摂取する

大豆イソフラボンにも線維芽細胞を増やし、活性化させる働きがあります。大豆製品である、味噌や納豆、豆腐、醤油などは日頃の食事から摂取することができます。

外食が多く、なかなか食べる機会がないという場合には豆乳を飲んだり、イソフラボンのサプリメントを摂取するなどしてみましょう。

[4]線維芽細胞でエイジングケアをするのに大切なこと

線維芽細胞が衰える原因

線維芽細胞が衰える原因としては

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  • 加齢
  • 乾燥
  • 睡眠不足など生活習慣の乱れ
  • ストレス

などが挙げられます。線維芽細胞の数が減少したり、活発に作用しなくなることで肌の屋台骨とも言える真皮層は劣化してしまいます。

服部 仁実

真皮層内の老化は、表皮層への栄養遡及も悪くなり、結果肌のターンオーバーも乱れ、肌の新陳代謝も悪くなります。しかし、通常、化粧品の浸透は表皮角質層までとも言われており、通常のスキンケアでは有効成分を真皮層まで浸透はさせることは難しいです。

線維芽細胞を守るためにできること

肌にとって欠かせない線維芽細胞を守るためにできることは

  • 適度な運動
  • バランスの良い食事
  • 質のよい睡眠

などが挙げられます。肌にだけでなく、健康にも欠かせないこの3点を守ることで、線維芽細胞の活性化に繋がります。

[5]線維芽細胞で肌のハリを保とう

美肌に効果のある線維芽細胞って何?線維芽細胞の働きと増やす方法をご紹介
エイジングケアには欠かせないのが線維芽細胞です。肌のハリや弾力、ツヤを出すためには、まずは線維芽細胞がイキイキとした状態でなければいけません。

そのためにも線維芽細胞を増やす栄養素を摂取することは大切ですが、何より「食事・運動・睡眠」のという日々の生活をバランスのとれたものにするだけで大きく変わってきます。

日常の生活を意識して、線維芽細胞の働きでハリ、ツヤのある美肌を保ちましょう。


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