お肌の潤いを保ってくれる天然保湿因子って何?その働きや補い方を大調査

昔よりお肌の乾燥を感じるようになったのなら、その原因はもしかしたら天然保湿因子の減少にあるかもしれません。お肌の潤いを保つために必要不可欠と言われる天然保湿因子とは、一体どのようなものなのでしょうか。今回はその働きや補い方を見ていきましょう。

お肌の潤いを保ってくれる天然保湿因子って何?その働きや補い方を大調査!!

2018年04月09日更新

スキンケア

工藤孝文 (医師)

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[1]天然保湿因子って何?

天然保湿因子とは、英語でNatural Moisturizing Factor(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター)と言い、その頭文字を取ってNMFとも呼ばれています。お肌には必要不可欠な天然保湿因子とは一体どのようなものなのでしょうか。

天然保湿因子はお肌が自ら作り出せる保湿成分

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天然保湿因子は、セラミドなどの細胞間脂質や皮脂からできている皮脂膜と並んで、お肌の保湿をしてくれたり、外部からの刺激から守ってくれるバリア機能を担っている大切な成分です。

天然保湿因子という成分があるのではなく、水分を抱え込みよく馴染むという機能を持つアミノ酸やミネラルなどの、20種類ほどある物質の総称です。これらは私たちが元々お肌の角質細胞内に持っているもので、赤ちゃんのうちは多くの天然保湿因子を持っていると言われています。そのため赤ちゃんのお肌というのは、きめの細かいモチモチとしたお肌です。しかし、年齢を重ねていくと減少していってしまう成分なのです。

天然保湿因子が作られる仕組み

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天然保湿因子はお肌のターンオーバーが行われる時に作られています。詳しくご説明すると、天然保湿因子は、フィラグリンという塩基性タンパク質の1つに由来していると言われています。このフィラグリンは表皮の顆粒層で生産され、ターンオーバーが行われる過程で角層細胞に移行します。

そしてそこで分解され代謝されると、一部が天然保湿因子になります。天然保湿因子が作られる仕組みというのは、現在でも研究が進められていて、まだわかっていない部分もあるようです。

その中で最近発見されたのが、フィラグリンから天然保湿因子ができる際に「ブレオマイシン水解酵素」が手助けをしていることです。天然保湿因子が作られる過程は大変複雑で、これからも新しい発見が期待できるかもしれません。

天然保湿因子の成分は何?

天然保湿因子の成分を細かく見てみましょう。

  • アミノ酸:40%
  • ピロリドンカルボン酸(PCA):12%
  • 乳酸塩:12%
  • 尿素:7%
  • NH3、尿酸、グルコサミン、クレアチン:1.5%
  • クエン酸塩:0.5%
  • Na+、K、Ca、PO4、Cl:18.5%
  • 糖、有機酸、ペプチド、その他:8.5%

天然保湿因子の成分はそのどれもが吸水性が高く、その中でもアミノ酸の吸水性はずば抜けて高いものとなっています。アミノ酸と一言に言ってもその種類は幅広く、プロリン、セリン、アラニン、アルギニン、リシン、グリシン、トレオニン、グルタミン酸など、天然保湿因子の40%を占めているのです。

ピロリドンカルボン酸(PCA)もアミノ酸の代謝物ですので、半分以上はアミノ酸でできていると考えてもよいでしょう。そのため、化粧品などにも多くのアミノ酸が含まれている商品があります。

[2]天然保湿因子の働きとは?

次に天然保湿因子が担っている働きを調べてみましょう。

お肌の保湿機能

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天然保湿因子は親水性が高く、水分をよく吸収します。そのため保湿力に優れ、お肌の柔軟性や弾力性を保っています。天然保湿因子がなければお肌の潤いを保つことは難しくなってしまいます。

しかし、保湿の3因子と言われる天然保湿因子、セラミド、皮脂の中では保湿能力は劣り、セラミドや皮脂がないと吸収した水分をどんどん蒸発させてしまいます。そのため、お風呂に入った直後などは水分をかなりの量を吸収してしまいますので、蒸発しないうちにしっかりと保湿をすることで、天然保湿因子の保湿力が高まります。

お肌のバリア機能

お肌の潤いを保つためには、お肌に元々備わっているバリア機能が正常に働く必要があります。バリア機能は、外部からの細菌や遺物の侵入を防いだり、身体の内側から出ていってしまう水分の蒸発を防ぎます。その役割を担っているのが天然保湿因子です。これもまた、天然保湿因子だけでは十分でなく、セラミドや皮脂と力を合わせてお肌を守っているのです。

天然保湿因子がないお肌はどうなる?

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天然保湿因子は様々な原因で減少してしまうことがありますが、少なくなってしまうとお肌の水分を十分に保つことができません。外側からスキンケア商品でアプローチしても、思ったような効果が出にくくなってしまいます。

天然保湿因子が減少している状態は、お肌で脱水症状が起こっているのと同じです。乾燥することはもちろん、お肌のツッパリやかゆみを感じたり、その状態を放置しておくことでシワやたるみなどの老化現象を引き起こしてしまいます。また、アトピーやアレルギーなどをお持ちの方は、症状が悪化してしまう可能性もあります。

[3]天然保湿因子が減ってしまう原因

天然保湿因子が減少すると、お肌には大きなダメージが出てしまいます。しかし、どうして天然保湿因子は減少してしまうのでしょうか。3つの原因を見てみましょう。

加齢

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赤ちゃんの時は、真皮には80%ほどの水分量があると言われていますが、これは年齢を重ねるとどうしても下降線をたどることになってしまいます。それは、天然保湿因子もどんどん減少してしまうからです。加齢により、お肌に必要な成分はどうしても減少してしまいます。

工藤 孝文

しかしこれは、人それぞれ減少のスピードや量も違いますし、生活環境やお肌のケアの仕方で変わってきます。逆を言えば、加齢による天然保湿因子の減少は少なからず食い止めることができます。

間違ったスキンケア

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お肌の潤いを保つために、マメにスキンケアを行っている方は多くいると思いますが、それが間違っていた場合は逆効果になってしまいます。特に気を付けたいのは洗顔方法です。お肌を清潔に保つことは重要ですが、洗いすぎによって皮脂を洗い流しすぎてしまうと乾燥しやすい肌になってしまいます。

そうするとお肌を守ろうとして角質が厚く硬くなってしまい、お肌のターンオーバーが正常に機能しなくなる場合があります。これは十分に泡立っていない洗顔料で、お肌をごしごし洗い傷つけてしまった場合にも起こります。

ターンオーバーがうまくいかなければ、天然保湿因子の生成もうまく行われませんので、減少してしまうのです。また、過度なスキンケアでお肌の自己再生能力を奪ってしまうこともあります。お肌には元々自分でお肌を再生させる能力が備わっていますので、その能力を信じてスキンケアをすることも、強いお肌を作る要因となります。

不規則な生活

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お肌を作るのは、普段の生活も大きく関係しています。ストレスを感じることが多い方は、自律神経が乱れお肌のターンオーバーが上手く行われないことがあります。また、お肌は眠っている間に作られると言いますので、極端に睡眠時間が短いと如実にお肌の劣化を感じます。

毎日規則正しい生活を行うことで、身体のバランスを取ることができ、お肌―のターンオーバーも正常に行うことができます。他にも大きく関係するのが食事のバランスです。偏った食事をしていると必要な栄養が足りなくなり、ターンオーバーが滞ります。極端な偏食や、ダイエットには注意が必要です。

[4]天然保湿因子を増やすことはできる?

天然保湿因子は気を付けていても減少していってしまうものです。減少してしまった天然保湿因子は、また増やすことは出来るのでしょうか。

天然保湿因子を増やす食事

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天然保湿因子はアミノ酸が多くを占めているので、アミノ酸を含んだ食事を心掛けるといいかといえば、実際は食事から天然保湿因子を増やすことは難しいものです。ただ、お肌の美しさを保つために必要なコラーゲンやエラスチンもアミノ酸からできていますので、積極的に摂取することは大切です。

具体的には、良質なたんぱく質を取るようにしましょう。鶏肉、豚肉、牛肉といった肉類や、マグロなどの魚類にも含まれています。その他には大豆製品などもおすすめです。良質なたんぱく質は消化される工程で、質の高いアミノ酸を作ることができます。食品から摂取するのが難しければ、サプリなどで補ってもいいでしょう。あとは規則正しく、そしてバランスよく食べることを心掛けましょう。

スキンケアで補う

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食事からアミノ酸を摂取して、天然保湿因子を増やそうとするのは大変ですが、スキンケア商品などで外からのアプローチも可能です。アミノ酸成分が含まれている付近ケア商品などを選ぶことで、お肌の保湿を助けることができるでしょう。

アミノ酸というのは分子がとても小さく、お肌の表面から角質層へゆっくりと浸透していきます。この浸透のしやすさから、最近のスキンケア商品にはアミノ酸が含まれているものが多くあります。

ただ、アミノ酸は20種類もありますので、天然保湿因子のことを考えるのなら、セリンというアミノ酸に注目してみましょう。乾燥だけでなく、美白効果も期待できてしまう素晴らしい成分です。スキンケア商品で気を付けたいのが、シートマスクの使用です。

天然保湿因子は水分とよく馴染みますので、長時間のシートマスクの使用は、逆に天然保湿因子をシートに奪われてしまう可能性もあります。より保湿を高めようと、既定の時間より長くシートマスクを使用するのは避けましょう。

天然保湿因子は減らさない事が大切

天然保湿因子を増やそうとするアプローチはありますが、実際は劇的に増やすことは出来ません。それよりも、今持っている天然保湿因子を減らさないように努力することが大事です。

普段からバランスの良い食事と、健康的な生活、適度なスキンケア心掛けるだけで、加齢によって天然保湿因子が減る量やスピードを遅らせることもできますよ。

[5]乾燥知らずの美肌になるための鍵は、天然保湿因子が握っている!

お肌の潤いを保ってくれる天然保湿因子って何?その働きや補い方を大調査!!
天然保湿因子は、もともと私たちが持っている保湿成分でお肌を守ってくれていることが分かりましたね。しかしこれは永久的にあるものではなく、お肌のターンオーバーが正常に行われなければどんどん減っていくだけになってしまう、とても貴重な成分です。

乾燥しないモチモチのお肌を維持するためには、日々の生活習慣や食生活を見直し、しっかりとお肌のエイジングケアを行ってください。

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